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コラム

「新しい資本主義」と当社のミッション

2022年6月に内閣官房は新しい「資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を公表しました。以下を受けて、内閣官房の掲げる「新しい資本主義」の考察と、当社のミッションについてご説明させていただきます。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsy…

「資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(以下、「グランドデザイン」といいます)昨今の社会で必要とされているデジタルインフラ、環境対策、金融市場の整備や賃上げ等が取り上げられており、計画として賛同の得やすいものとは考えられます。その反面、それをどのように実行していくかは具体的な言及が多くない点や、後述されている1人当たり実質賃金の国際比較において日本が先進国のなかで低水準(英国や米国が1991年対比で140%台であるのに対し、日本は105%)であることへの対応策として、上記の計画が有効であるかは明確になっていないものと考えています。

従来の資本主義はどのように定義され、「新しい資本主義」またどのように定義されているのでしょうか。従来の資本主義の潜在的な問題点にも触れたいと思います。従来の資本主義は、Wikipediaによると「国政によってよりも営利目的の個人的所有者たちによって貿易と産業が制御(コントロール)されている、経済的・政治的システム」とされています。また、グランドデザインにおいては新しい資本主義は以下のように定義されています。「「新しい資本主義を貫く基本的な思想は、①「市場も国家も」、「官も民も」によって課題を解決すること、②課題解決を通じて新たな市場を創る、すなわち社会的課題解決と経済成長の二兎を実現すること、③国民の暮らしを改善し、課題解決を通じて一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現すること。」従来の資本主義の潜在的な問題点は、特に日本に限っていえば、先述の実質賃金の国際比較にも見られるとおり、一部の資本家が富を得ている一方で、大半の個人には限定的な富が配分されるのみで、社会全体としては社会は豊かになっていない、ということに集約されるものと考えています。グランドデザインの①については「新しさ」の要素が多少あるようには見受けられますが、際立った新規性は特にないものと考えられます。また、富の獲得の仕方、配分の仕方についての具体的な検討がされているわけではないことから、上述の従来の資本主義の問題点を根本的に解決するような計画になっていないことが想定されます。

では、全てを解決することは難しいとしても、従来の資本主義の問題点を解決するにはどのようなアプローチが考えられ、当社としてはどのような貢献ができるかを述べたいと思います。まず、特に重要な課題は、日本の企業の99.7%を占める中小・ベンチャー企業に十分な資本が投資されていないことにあると考えます。グランドデザインの事業会社によるスタートアップへの投資額の国際比較にもあるとおり、日本の投資額は米国の4%程度です。GDP比で見ても、この数値が極端に低いことが分かります。中小・ベンチャー企業に十分な資本が投資されていない理由としては以下が考えられます。

①中小・ベンチャー企業に投資できる大企業の数が限られている。
②中小・ベンチャー企業の多くが成長が期待できず、資本を十分に集められていない。

①については、中長期的に日本の大企業を輩出していくことが政府としての目線にはなりますが、②を解決し、競争力のある中小・ベンチャー企業を創り出していくことで、自ずと①も解決につながるものと考えます。
一方で、②の解決が当社のミッションの1つであると考えています。成長意欲はあるものの、このような課題を抱える中小・ベンチャー企業に対してM&Aアドバイザリー、社外CFOサービス、各種アドバイザリーをご提供することで資本のバリューアップを実現することを目指しております。将来的には、中小・ベンチャー企業への当社が資本家として投資を実行することや、当社にて経営支援系のソフトウェア等の開発・販売を行い、当社の企業としての総合力も高めて参りたいと考えております。中小・ベンチャー企業の持続的な成長だけでなく、IPO・M&A等のExitを支援し、当社としても成長させていただくことにより、より活気のある資本市場が築き上げられ、結果的に国民の幸福度も向上するものと考えております。

当社の目指すのは、全ての中小・ベンチャー企業の良きアドバイザリーであり、伴走者であり、かつ善意ある投資家であることです。従来のコンサルティングのみ、投資のみのビジネスモデルとは異なり、総合的に中小・ベンチャー企業の成長を支援させていただきたいと考えております。

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